クリスティアン・ツィメルマンのコンサートに行ってきました。
いつもながらベートーヴェンのラストピアノソナタが
プログラムだったからです。
ツィメルマンの32番は4年前にも聴きました。
4年前は、プログラム中のシマノフスキなどは素晴らしかった
ですが、32番はあまり記憶に残っていません。
その後、私なりにこの曲を聴きこんだつもりで、ツィメルマンの
後期ベートーヴェンがどのように聴こえるか楽しみでした。
前半の30番と31番は素晴らしかったです。
非常に優美で格調高いベートヴェンでした。音の輪郭の
柔らかさ⇔シャープさのコントロールは特筆ものです。
水彩画のように音の海に溶け込ませることも、シャープに
エッジを効かせることも自在で、またテンポも自在。
決して急がず、必要に応じて速弾きも交え、つなぎ目では
スローダウンと変則自在。印象をより強くさせていました。
それらの高い技術を裏打ちされた、美しく格調高い音楽を
創り出していました。
31番のフーガでは、途中、教会の鐘が鳴っているような風景が
浮かんだり、ピアノの特性の残響の生かし方と |